≪【願意】は神々にストーリーで伝える≫
私が密教の修行を始めたのは、2010年5月からになりますので、
気づいたら12年以上経っておりますが、これ↑はその経験の中で出た私の結論です☆
今日は密教の祈祷における【願意】についてお話ししたいと思います。
(少し長いので時間のある際にお読みください。)
密教は、
【現世利益を肯定し、煩悩や欲望を昇華させて悟りへと導く】
という特徴を持っています。
仏教では、肉体人生を終えた後、極楽浄土に行くことを目的とする教えもあったりますが、
密教では、あくまで、【肉体を持った現世での幸福】を中心に考えます。
現世での人間の煩悩や欲望を否定するのではなく、
現世利益を肯定し、煩悩や欲望を増大させるのではなく昇華させることで、
【肉体を持ったまま悟りへと至ること】(『即身成仏』(そくしんじょうぶつ))
を目指すのです。
それを達成するために密教には様々なものが用意されておりますが、
最も影響力のあるものの一つが古来より秘法として受け継がれてきた
【密教の儀式】になります。
ここで言う密教の儀式とは、護摩や修法(しゅほう)のことを指します。
護摩とは、行者が式次第に沿って手順を進め、
特定の密教の神を護摩壇の中央に焚いた炎の中に召喚し、
召喚した存在と一体となった状態で真言を唱え、
≪願意の成就を祈念するもの≫になります。
また、修法とは、護摩と同じく行者が式次第に沿って手順を進めるものですが、
護摩壇の炎ではなく、自らの内に燃やす炎(内護摩)に特定の密教の神を召喚し、
召喚した存在と一体となった状態で真言を唱え、
≪願意の成就を祈念するもの≫になります。
護摩と修法は、式次第の作法が少し異なっていること、
実際に壇の上に炎を燃やすかどうか、という違いはありますが、
どちらも、≪密教の神々に願意を届け、成就を働きかけてもらう≫
というものになります。
この【願意】というもの、密教の神々に届けるものなので、
『結構大事なもの』だと思いませんか?
10年以上前の私は、そんな風に思ったのです。
というのは、私自身、護摩を自分で300座以上焚いてきたのですが、
(300座を超えてから数えるのをやめました^^;)
護摩では、護摩木というものに願意を記載します。
その願意が書かれた護摩木を、護摩の炎の中に入れて、護摩の炎で燃やします。
なぜ護摩の炎で燃やすかというと、
行者が護摩の炎の中に『ゲート』と呼ばれる次元間の出入り口を作り、
神々のいる次元から密教の神々を護摩の炎の中(この次元)に召喚し、
護摩の行法の間、炎の中に神々にいてもらうからです。
1.願意の記載された護摩木を、密教の神々の召喚された炎で燃やし、
2.護摩木に書かれた願意をエネルギーに変換することで、
3.神々に直接、願意のエネルギーを届ける、
という仕組みになっているのです。
(ちょうど先日から、【役割・使命 求道會】の中で
私がどうやってエネルギーを扱っていたり、見ていたり、使い分けて
いたりするかなどのマニアックなことをお伝えし始めたので、
密教関係のことをここに少し書いてみようと思いました。)
私が護摩を焚く時は、1座あたり200本~250本ほどの護摩木を燃やします。
(それ以上燃やすと、どうやっても護摩の炉の中が灰であふれてしまうので、
そこが限界の本数でした。。。)
護摩を焚く時は、岐阜県の養老にある密教道場に泊まりがけで焚いていたので、
1泊2日で合計6座の護摩を焚くことが通常です。
すぐ計算できた方は目が点になったかもしれませんが、
毎回1,500本ほどの護摩木を燃やすのです。
もちろん、全て、【願意】が書かれたものをです!!
(この護摩木の願意、1本の護摩木に、大体4~5つ願意を記載しております。
『護摩木は器となって、願意のエネルギーを溜める役割がある』のですが、
私が燃やす護摩木の厚さ・大きさから作られる『器』と、
願意のエネルギーが入るバランスのちょうど良いところが、
願意4~5つほどだったのです。
最初は、願意を全て手書きで書いておりましたが、
1,500本の護摩木に願意をエネルギーを入れながら書くだけで丸々2日かかるので、
次に願意をハンコにして護摩木に押す形に進化します^^
それでも1,500本の護摩木に願意のハンコをエネルギーを入れながら
押すだけでも丸1日かかるので、
最後は、護摩木を作ってもらっている製材会社に
願意の印刷をお願いしておりました。
1,000本単位で印刷をしてもらうので、いくつもの願意の組み合わせを
それぞれ印刷してもらうことで、一回に1万本以上もの護摩木が届き、
そこにエネルギーを入れていくのです^^;)
ここで、4~5つの願意を護摩木に記載したとお話ししましたが、
単に成就したい願意を順番に並べるだけでは、
【効率的に】神々にエネルギーは届きません。
お互い関係の無い願意をバラバラに並べるだけでは、
願意の書かれた護摩木を護摩の炎で燃やし、エネルギーに変換した時、
願意のエネルギーもバラバラに変換されて神々に届くのです。
(これを検証するためにも、ものすごい数の護摩木を使い、
様々な願意を組み合わせて護摩を焚いたのですが、、、)
様々な検証をした結果、、、
最も効率的に神々に願意のエネルギーを届ける方法は、、、、
【願意をストーリーで伝える】 こと!
4つの願意を記載するとしても、
「A」「B」「C」「D」と全く違う内容のバラバラの願意を記載するよりも、
「A”」「A+」「A」「A’」のような形で
【関連のある願意をそろえる】(もちろん願意は、その神の得意分野であることが大前提です)
そして、それらを、
【ストーリーとなるように順番に並べていく】
★「A」があって、「A’」に繋がって、「A”」となった後、最終的に「A+」が成就する。
こういった形で、願意を神々に届けると、
神々の方は、願意をそれぞれバラバラに認識するのではなく、
【複数の願意を一連の流れで認識するので、一連の流れが全体として成就するように働きかけていく】
のです。
『時間とお金と労力をかけてマニアックなレベルで追求したもの』
というのは誰にでもあるかと思います。
密教の【願意】については、私自身、結構なマニアックさで追求したもので、
これまで誰にもシェアしたことなどなかったのですが、
今回、初めてお話ししました☆
『真言108万回シリーズ』では、密教の神々に最も効率的に願意を届けられるよう、
一連の流れの中でストーリー性を持つように、願意を設定しております。
願意を選ぶ際に選択に迷った場合などは、
自分の中で、【その願意を選んだ際にどういったストーリー性を持つか】を
思い描いて頂くと、良いかと思います。